【クリニック開設後、医師の採用や退職・診療科目に変更があった場合】



クリニック開設後、

・新たなドクターの採用
・医師の退職
・診療科目の追加や変更

などが発生した場合、
保健所や厚生局への届出が必要になるケースがあります。

特に注意が必要なのが、

✔ 個人開設と法人開設で届出様式が異なる
✔ 保健所提出は提出期限が具体的に設けられている
✔ 保険診療を行っている場合は厚生局への届出も必要
✔ 「診療できるか」と「標榜できるか」は別で考える必要がある

という点です。

今回は、
「医師の変更」
「診療科目の変更」
について実務上よくあるポイントを整理します。

医師の採用・退職があった場合

例えば、
クリニックを開業して患者数が増え、
新たにドクターを採用した場合。

常勤・非常勤を問わず、
原則、保健所や厚生局への届出が必要になります。

保健所への届出

【法人開設(非医師開設)の場合】

「診療所開設許可事項中一部変更届」

「診療所従事医師変更届」

【個人開設の場合】

「診療所開設届出事項中一部変更届」

「診療所従事医師変更届」

※自治体によって様式名称が若干異なる場合があります。

提出期限

変更後10日以内

極端に遅延した場合は、別で遅延した旨の理由書等を求められる可能性があります。

根拠規定

医療法施行令第4条第1項、医療法施行規則第1条の14第4項関係、医療法施行令第4条第3項(第2項)関係、医療法施行令第4条第3項 等


厚生局への届出(保険診療を行っている場合)

保険診療を行っている医療機関では、
厚生局への届出も必要になります。

提出する主な様式は、

「保険医療機関届出事項変更(異動)届」

です。

特に、
勤務する保険医に変更があった場合は提出が必要になります。

なお、
様式上は
「変更後速やかに」
とされています。

法律用語としての「速やかに」は、
明確な期限ではなく
“可能な限り早く”
という意味合いになりますが、

実務上は、
保健所への届出と同じタイミングで対応するケースが多いです。


医師採用時は他にも様々な対応が必要

ドクターを1人採用するだけでも、

・労働条件の通知
・雇用契約書
・社会保険
・雇用保険
・労務管理

など、
実際には多くの対応が発生します。

特に、
非常勤医師については
勤務実態や契約内容によって取扱いが変わるケースもあるため注意が必要です。


診療科目を変更した場合

続いて、
診療科目に変更があった場合です。

まず原則として、
届出した診療科目しか標榜できません。

つまり、
看板やホームページ等に表示する場合は、
当然に届出内容との整合性が求められます。

例えば、

「小児科」だけではなく、
「アレルギー科」も標榜したい場合。

実際には、
保健所・厚生局への変更届出等が必要になります。


「診療」と「標榜」は別問題

ここは誤解が多いポイントです。

例えば、
小児科を標榜しているクリニックで、
子どもを連れてきた親から

「自分も少し診てほしい」

と言われるケース。

この場合、内科になるけど診察して大丈夫??

内科を標榜していなくても診察して問題ないのか?

という点ですが、

厚生局へ確認したところ、

“届出していない診療科目を診療すること”

そのものが直ちに禁止されるわけではない、
との回答でした。

一方で、

届出していない診療科目を
看板・HP・広告等で標榜すること

は問題になります。

つまり、

✔ 診療行為
✔ 標榜(表示)

は分けて考える必要があります。

この点は運用や判断が絡む部分でもあるため、
実務上は厚生局や保健所への事前確認が重要になります。


まとめ

クリニック開設後は、

上記に挙げた二つの項目以外にも

開設者に関する情報の変更やクリニック名称の変更、

建物の構造に変更があった場合、

行政に届け出る必要が発生する事項がまだあります。

特に非医師開設の場合、

変更内容によっては"申請"として、事前の提出が必要な事項もございます。

医療機関に関する運用は、
自治体や厚生局によって取扱いが異なる場合があります。

「変更だから簡単」
と思わず、
早めに確認・準備しておくことをおすすめします。

「これから変更が生じるけど、届出が必要になるか不安」

「変更があったけど、どこに何を提出すればいいか不明」

そんな方は当事務所にいつでもお気軽にご相談ください。

Ease Float 行政書士オフィス
代表行政書士 冨吉 千裕

医療法人の理事・事務長として、
クリニック開業から運営まで携わり、

行政手続きだけではなく、

・医療事務
・労務
・経理
・保険診療関連
・行政対応

など、
医療機関運営を包括的に経験。

「医療×行政手続き」の視点から、
クリニック開業・運営支援を行っています。

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